やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2020/03/31
相続で取得した財産の取得費と取得日の考え方

[相談]

 私は10年前(2010年2月3日)に夫を亡くし、その際に相続で数筆の土地を取得しました。
 このたび、その土地のうち1筆を売却することになったのですが、その売却について、所得税法上の売却損益(譲渡所得)の計算の基礎となる取得費や取得日は、どのように考えるべきものなのでしょうか。
 なお、その土地は亡くなった夫が2000年1月15日に2,000万円で購入したものです。


[回答]

 ご相談の場合、今回の土地売却について、土地の取得費は2,000万円、土地の取得日は2000年1月15日として譲渡所得および譲渡所得税を計算します。なお、亡くなったご主人がその土地を購入した際に支払った不動産取得税等も取得費に含まれる点にご留意ください。


[解説]

1.譲渡所得とは

 所得税法上、譲渡所得とは「資産(※1、2)」の譲渡による所得をいうものと定められています。

※1 この「資産」には、たな卸資産のように営利を目的として継続的に譲渡されるもの等は含まれません。
※2 譲渡所得の対象となる資産には、土地や建物、株式等が該当します。

2.土地や建物を譲渡した場合の、譲渡所得の計算方法

 譲渡所得の金額は、@その年中のその譲渡所得の収入金額から、Aその譲渡所得の基因となった資産の取得費と、その資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、さらに、Bその残額(譲渡益)から「譲渡所得の特別控除額」を控除した金額とするものと定められています。上記の内容を算式で表すと、下記の通りとなります。

<譲渡所得の算式>

譲渡所得金額=収入金額- (取得費(※3)+譲渡費用(※4))−特別控除額(※5)

※3 取得費とは、土地や建物の購入価格をいいます。
※4 (非業務用資産の)譲渡費用には、登録免許税や不動産取得税等の租税公課等が該当します。
※5 特別控除額とは、例えば、マイホームを譲渡した場合には3,000万円というように、一定の要件を満たす場合に控除できる金額がそれぞれ定められています。

3.相続により取得した資産の取得費と取得日

 今回のご相談の場合のように、譲渡所得の基因となる資産を相続によって取得した場合、上記2.の「取得費」は、亡くなった方(今回のご相談の場合は、亡くなったご主人)がその資産を取得した時の価額と同額とみなすことと定められています。
 このため、今回のご相談の場合には、売却対象の土地を亡くなったご主人が購入した時の購入価格(2,000万円)や、その購入当時に支出した不動産取得税等が取得費となります。
 また、相続により取得した財産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、譲渡した人(今回のご相談の場合は、ご相談者)が引き続きこれを所有していたものとみなされます。
 したがって、今回の売却対象の土地の取得日は、2000年1月15日となります。

 土地の取得日がいつになるかによって、譲渡所得に対する所得税率が異なる場合があります。また、亡くなった方が支払った不動産取得税等が取得費に含まれる点等、譲渡所得の計算は考え方が難しかったり、見落としやすかったりする点がいくつかあります。今回のようなケースは、当事務所へご相談ください。


[参考]
 所法33、38、59、60、措法31、32、35、所基通38-9、60-2など


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